論文を読むのが遅い3つの原因

論文を読むのが遅い原因

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

 

「どうしても論文を読むのに時間がかかる...」

「実験で忙しいので素早く読みたい!」

 

論文を読むのは研究の基本中の基本ですね。

しっかり背景知識を掴んでおかないと、無駄な実験をしていた...ということにもなりかねません。

 

しかし、それまで教科書などを中心に勉強してきて初めて論文を読むと、

なかなかスラスラとはいきませんよね。

そこで今回は論文が読めない原因3つをご紹介し、その対策をお伝えしたいと思います。

 

 

1. 論文を読むテクニックを身につけていない

めまぐるしく更新される世界中の研究に付いて行くためには、膨大な量の論文に日常的に目を通す必要があります。

そのため、他の文章とは異なる方法で効率的に読んでいかなければいけません。

色々方法はありますが、私なりのテクニックをご紹介します。

 

1) まずタイトルを見て、その論文のテーマを掴みます。

 

2) その次にAbstractConclusionに目を通します。

この二つを読めば内容がだいたい掴めます

Abstractだけでも概要は分かりますが、Conclusionには主要な結果のデータもある程度含んだ形で書かれています。

そのため、Conclusionまで読むと内容をより具体的に把握することができます。

この時点であまり関係ないな、と思ったら読むのをやめましょう。

 

3) 次に図・表とその周辺を読みます。

論文中の重要なデータは基本的に図か表にまとめられています。

そのため、図・表を追っていくだけで結論の根拠となるデータを押さえることができます。

図を見ただけで理解できない場合は、それを説明している箇所だけを読みましょう。

ここまでくればほぼ内容はつかめているはずです。

 

4) 全文を読む

それでもなお理解が足りない場合や、自分にとっての超重要論文である場合は、

全文に目を通しましょう。

研究の動機や、細かな論理の流れを追うには、やはり全て読むしかありません。

 

2)までなら数分で終わりますし、3)まででも15分程度でしょう。

しかし、全て読むとなると数時間はかかるのではないでしょうか。

重要な論文にだけ時間をかけるという重みづけが非常に重要です。

 

2. 読むための知識不足

研究を始めてしばらくは、これが問題になると思います。

一文読んだら知らない単語が出てきて、

それについて調べていたらまた知らない単語が、、、

という風に、謎が謎を呼んでしまいます

 

そんな時におすすめなのが総説(レビュー論文)を読むことです。

その分野の主要な研究がまとめられている、教科書のような論文ですね。

 

私の場合は、SciFinderというサイトを使って総説を探しています。

SciFinderは化学構造式などでも検索ができるツールで、

登録すれば無料で使用できます。

このサイトの強いところは総説に絞った検索ができることです。

Document Types:Reviewを選択するだけです。

 

また、基本的なことに関しては先生・先輩に聞くのが一番早いですね。

おすすめの総説を紹介してくれるかもしれません。

 

3. 英語自体に慣れていない

大学に入ると、よほど意識的に英語に触れていない限り、

高校の時よりも英語力が落ちていきます。

そんな状態で論文を読むと、なかなか頭に入ってこない...となりがちです。

これはとにかく読んで慣れるしかありません。笑

だんだん専門分野の語彙も増えてくるので、読めるようになってきます。

 

タブレットでさらに効率化

研究を進めていくと読む論文の数も増えてきて、管理が大変になります。

いちいち印刷していられなくなるので、タブレットを使って読んでいました。

慣れるまで時間がかかりますが、長期的に見ればかなり効率化できます。

 

スペック重視ならipadなどもいいですが、amazonのfire HDコスパがよくておすすめですね。

論文を読むには、画面10インチは欲しいです。

32GBと64GBがありますが、論文用途なら、32GBでもいいでしょう。

クラウドも使えますしね。

 

 

 

まとめ

・論文は重要度によって読み方を変える

・まずは総説で勉強して知識をつける

・とにかく読んで英語に慣れる

 

文献調査は研究の基本能力ですので、苦手意識を持たずどんどん読めるようにしましょう。