【技術面接】プレゼン用スライドの具体例を公開【パワーポイント】

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こんにちは!化学系博士で、現在は化学メーカー研究職のshuheiです。

 

「技術面接のスライドの作り方が分からない・・・」
「どんなスライドが企業に好印象なんだろう・・・? 」

こんな方のための記事です。

 

このブログの人気記事のひとつが、技術面接のスライドの作り方について解説したこちらの記事です。

shuheichem.hatenablog.com

 

「会社で求められる力」をアピールするためのスライドの作り方を解説しています。

しかし、文章で説明しているだけなので、

具体例があったらもっとわかりやすいのでは?と思い、今回の記事を書きました。

私なりの「悪い例」「良い例」を示すことでポイントを解説していますので、ぜひご覧ください。

 

その他の就活記事まとめはこちら

shuheichem.hatenablog.com

 

 

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技術面接スライドの具体例

題材

題材として、ノーベル賞を受賞した吉野彰氏のリチウムイオン電池に関する研究を用いて、スライド例を作成してみました。

私の専門分野ではないので、内容の正当性についてはご容赦ください。

また、ポイントを解説するためのシンプルなスライドになっているので、実際はもう少し肉付けは必要かと思います。

 

それでは、5つのパートに分けて、具体例で解説していきます。

 

(1) 導入

求められる力:専門外の人に説明できる力

前回の記事で説明したように、ここでは専門外の人であっても興味が持てるようにするのが重要です。

悪い例から見ていきましょう。

導入

導入

一見普通のスライドにも見えますが、就活用のスライドとしては良いとは言えません。

学会発表なら問題ないかもしれませんが、「電気化学的インターカレーション」などの専門用語が使われています。

知らない人が見ると「難しそうだな」という印象を与えてしまいます。

 

それでは良い例を見てみましょう。

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だいぶ印象が違うのではないでしょうか。

専門用語がなく、ノートパソコンといった身近な機器を例に説明しているので、とっつきやすいです。

文章ではなく、図を見て一目で分かるような工夫もされています。

ここは導入なので、ちょっと易しすぎる?と感じるくらいで大丈夫です。

 

(2) 目的

求められる力:課題を抽出・設定する能力

「目的」で大事なのは、大きな問題を切り分けて、解決可能な課題を設定できることのアピールです。

まず、悪い例です。

目的スライドの悪い例

スライド 目的 悪い例

リチウムイオン電池について細かく説明していますが、本論には影響しない不要な情報も含まれています。

面接ではとにかく時間が限られているので、必要な情報だけに絞りましょう。

また、インパクト重視で研究の範囲を広げすぎています。

この研究だけで「実用化」に至るわけではないので、もう少し絞る必要があります。

 

良い例はこんな感じです。

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必要な情報だけを、図を使いながら簡潔に示しています。

研究の目的も、「負極材料の開発」と絞ることで、範囲を明確にしています。

 

(3) 方法・実験

求められる力:課題解決能力

ここで大事なのは、アプローチの仕方や、試行錯誤の過程を見せることです。

なぜこれまで不可能だったことが、自分の研究で可能になったのか?

をアピールできればいいですね。

 

まずは悪い例

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「VGCF」を用いることがこの研究のミソですが、この書き方だと、色々な材料を手あたり次第探してたまたま見つかったという印象を受けます。

また、実験項ではありますが、実験の中身を詳しく表記する必要はありません。

(聞かれたら答える、で大丈夫です。)

 

それでは良い例

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試行錯誤の過程も含めて記述しています。

まずポリアセチレンでの試作に成功したものの、問題点があり、

それを解決するためにこの材料を選んだ、という過程が分かりやすいです。

どんな研究にも壁がありますが、それをどうやって乗り越えたか、という部分を強調しましょう。

 

(4) 結果と考察

求められる力:論理的思考力

実際のデータを示しながら、結果を説明します。

データの解釈を論理的に説明する力が重要です。

 

まず悪い例

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(グラフの図が適当なのはご容赦ください)

まず、データの量が多く、どれが重要なのか一目見てわかりません。

また、「大幅に」という言葉は定量性に欠きます

 

良い例

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もっとも重要なデータだけに絞って説明しています。

情報量が増えてついていけなくなるのが一番ダメなので、データは最小限にしましょう。

変化も「**倍」と表現することで、定量的に示せています。

 

(5) まとめ

ここは比較的簡単なので良い例だけ示します。

冒頭で示した「目的」がどこまで達成されたかを述べましょう。

これはノーベル賞の研究を例にしているのですばらしい結果が出ていますが笑、

達成度が100%である必要はありません。

正しく現状を把握して、今後の展望が示せていれば、それもアピールポイントです。

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まとめ

「見られている力」をアピールするための資料を作りましょう。

・専門用語は使わず、図を主体にした簡潔な説明を。

・試行錯誤の過程を見せながら、論理的に。

 

スライドの作り方については色々な情報がありますが、実際作るとなると難しいですよね。

ぜひ具体例を自分の研究に置き換えて、作ってみてはどうでしょうか。

 

質問対策はこちらから。

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話し方で気を付けるべきことはこちら。

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