学振博士の年金:学生納付特例は適用される?令和二年度最新版

こんにちは。化学系博士のshuheiです。

博士のお金事情についてもご紹介していきたいと思います。

今回は年金についてです。

 

「学振の収入で、学生納付特例は適用される?」

 

学振の特別研究員は、学振との雇用関係がないので、各自国民年金に加入する必要があります。

月20万円をもらっているとはいえ、授業料や税金なども払わないといけないので、

なかなか大変です。

そこで今回は、保険料の納付が猶予される学生納付特例が利用できるのかについてまとめます。

 

結論から言うと、

研究遂行経費の取り扱いを申請し、60万円以上使用していれば博士の3年間制度を利用できます

実際私も、博士課程の3年間、学生納付特例を利用しました。

 

*なるべく情報源を明記していますので、念のため自分でもしっかり確認してください。万が一、記事に誤りがあればコメントいただければ幸いです。 

*平成30年度の法改正により、令和2年度以降は給与所得控除の金額が変わります。本記事は令和2年度以降の制度に基づいた最新版です。

税制改正の概要 : 財務省

 

 

学振との雇用関係

学振からのお金は「給与」として税制上も扱われますが、雇用関係はありません。

ちょっと意味が分かりませんが....。

ですので、自分で国民健康保険国民年金に加入する必要があります。

よくある質問 | 特別研究員|日本学術振興会

 

保険料

1か月あたり16,540円です(令和2年度)。

国民年金保険料|日本年金機構

なかなかの額ですね。

 

学生納付特例とは?

学生の場合、保険料の納付が猶予される制度です。

国民年金保険料の学生納付特例制度|日本年金機構

「免除」ではないので、将来ちゃんと年金をもらうためには「追納」といって後から納める必要がありますが。

 

重要なのが、この制度に所得制限があることです。

上のリンクに詳しく書かれていますが、

前年度所得が118万円以下であることが条件です。

 

給与所得の計算方法は、こちらです。

No.1410 給与所得控除|国税庁

ここから逆算すると、収入が180万円の場合、給与所得が118万円になります。

(180-(180*0.4-10)=118)

つまり、所得が学振からの給与のみの場合、前年の収入:180万円以下が条件です。

 

学年別まとめ

では実際条件を満たすのか、結論から言います。

 

D1:前年はM2なので、普通は満たす

D2:前年の収入が学振のみなら、ギリギリ満たす

D3:D1時に研究遂行経費の取り扱いを申請し、60万円以上経費に申告していれば満たす

 

それでは詳しく見ていきましょう。

 

D1

前年はM1の1月からM2の12月なので、普通は大丈夫でしょう。

条件を満たします。

 

D2

前年はM2の1月からD1の12月です。

学振はD1の4月からなので、収入は9か月分。

収入金額は20万円 × 9 = 180万円ちょうど基準ですね。

他に所得がなければ、条件を満たします。

 

D3

前年はD1の1月からD2の12月です。

フルで収入があるので、

収入金額は20万円 × 12 = 240万円基準を超えてしまいます。

 

ですが、学振に研究遂行経費の申請をすることで所得を減らすことができます。

これは、給料の3割(年間72万円)を研究に必要な経費にできる制度です。

 

申請すると、源泉徴収票の収入等の金額が、3割少ない額になります。

すると、240 - 72 = 168万円となり、基準を満たすことができます。

 

ただし、3割を実際に使ったかどうかの申告が必要で、

3割に満たない場合、差分は次年度の収入に上乗せされます。

この辺りの扱いは学振の資料にあまり書かれていませんが、私もそうでしたし、こちらの方々のページでも言及されています。

学振の研究遂行経費が余った場合どうなるの | サイエンスカフェ|サイエンスカフェ

日本学術振興会特別研究員の研究遂行経費についての覚え書き - taoizm’s diary

 

したがって、D1時に使いきれなかった分が、D2時の所得として上乗せされることに注意する必要があります。

収入240万円から基準の180万円を引くと60万円ですので、

経費の総額72万円中、60万円を使っておく必要があるということです。

 

私はこんな計算はしていなかったのですが、ギリギリ基準を満たしていたので申請できていました。危ない...。

 

まとめ

・学振とは雇用関係がないので国民年金に加入が必要

・研究遂行経費を申告して60万円以上使用すれば、3年間学生納付特例を受けられる

 

なるべくソースを明確にしたので、しっかりと自分でも計算して確かめてみてください。

税金などについて知っておくと人生でいろいろ役立つと思います。

ありがとうございました。

理系大学院生のための企業研究:旭化成

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

今回は企業研究記事の第一弾、旭化成です。

 

「よく聞く企業だけど、どんな事業をしているんだろう・・・?」

「経営状態はどう?給料は良い?」

「勤務地は田舎・・・?」

 

などなど、志望度に直結する情報を、詳しくご紹介します。

勤務地についても網羅的に記載しました。

少し長いので、目次から気になったところに飛んで、ご覧ください。

*2020年5月現在の情報です。売上高などの数字は基本的に2018年度のものです。

 

 

どんな会社?

まずは基本情報から。

 

売上高:約2.2兆円 

従業員数:39283人(連結)

事業領域:マテリアル、住宅、ヘルスケアの3領域

 

売上高としては2兆円を超えており、大企業と言えます。

事業領域は3領域に多角化しており、

マテリアル領域は基礎化学品から高付加価値品に渡る幅広い化学事業。

住宅領域旭化成ホームズや建材の事業。

ヘルスケア領域は医薬・医療の事業です。

それぞれの領域に事業会社が存在し、旭化成はそれらグループをまとめている、という位置づけです。

 

何を作っている?

それでは、旭化成は何で稼いでいる会社なのか、もう少し詳しく見ていきます。

先ほど事業が3領域に分かれていると言いましたが、

その中で化学品を扱うマテリアル領域が、全体の売り上げの半分以上を占めています。

マテリアル領域にはさらに4つの事業分野があり、以下のような製品を作っています。

 

4つの事業分野

・基盤マテリアル事業

ポリエチレン、アクリロニトリルMMAなどの基礎化学品。

 

・パフォーマンスプロダクツ事業

繊維、高機能樹脂、合成ゴムなどの素材。なじみのあるサランラップジップロックもここに含まれます。

 

スペシャルティソリューション事業

感光性フィルム、リチウムイオン電池向けセパレータなどの高付加価値品。

2019年には旭化成名誉フェローの吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞し話題になりましたね。

 

・エレクトロニクス事業

半導体集積回路(LSI)、電子コンパス、各種センサなどのエレクトロニクス関連品。

 

求められる専門性

以上から分かるように、基礎化学品から高付加価値品まで幅広く手掛ける、総合化学メーカーと言えます。

したがって、求められる専門性も、化学全般です。

化学系の大学院生であれば、分野に関係なく、どこかで必要とされる場所があると予想されます。

 

 

業績 経営状態は?

売上高は約2.2兆円、営業利益は2096 億円です。

営業利益率は9.7%と、比較的高い水準にあります。

業績の見方は以下の記事を参考にしてくださいね。

 

shuheichem.hatenablog.com

 

成長率

過去のデータを見てみると、2009年度の売上高は約1.4兆円。

営業利益率は4~7%程度で推移していました。

そのため、ここ10年で大幅に規模・利益率ともに成長していると言えます。

 

経営のバランス

各領域の営業利益率はマテリアル:11%、住宅:10.3%、ヘルスケア:13.2%と、

どれかに頼る事なくバランスよく利益を上げていることも分かります。

(利益率の平均が全体と一致しないのは各事業以外の影響と思われます)

 

安定性

経営指標の一つである自己資本比率53.6%と、高いです。

借金をあまりせず経営しており、近い将来につぶれる可能性は極めて低いと言えます。

 

給料・福利厚生

初任給

学部卒: 222,890円 

修士卒: 247,550円 

博士卒: 289,910円

他の化学メーカーと比べると高めだと思います。

 

平均年収

平均年収有価証券報告書の数字で787万円

全従業員ベースなので少し低く出ていますが、比較的年収も高い方でしょう。

openwork等の口コミサイトを見ても、満足している方が多いようです。

 

福利厚生

福利厚生についてですが、口コミサイト等を見る限り、かなり充実しているようです。

借り上げ社宅に住むと家賃の7割を会社が負担するなどの制度があるようです。

 

雰囲気

完全に私の主観ですが、超優秀な好青年が多い、という印象を受けます。笑

しっかり自分の意見があり、隙がないような人が多い気がします。

 

また、大学院生については研究遂行能力を最重要視していると思います。

そのためか、博士学生の採用にも非常に積極的です。

こちらの記事でも紹介しましたが、早期選考を実施して博士を獲得しにきています。

 

shuheichem.hatenablog.com

 

「さん」付け文化

また、社内では役職に関わらず「さん」付けで呼ぶ文化があります。

フラットな関係が徹底されており、風通しのよさが感じられますね。

 

勤務地

技術系総合職の場合の勤務地は全国各地です。

研究職に絞った場合でも、特定の場所に研究所があるのではなく、

各生産拠点で研究開発が進められています。

担当する製品で勤務地が決まると考えていいですね。

 

主な勤務地

発祥の地である宮崎県延岡

石油化学品の生産拠点岡山県水島

研究開発拠点の静岡県富士です。

 

その他の拠点

・東京:本社があります。

・神奈川県厚木地区:センシングなどのソフトウェア開発を行う融合ソリューション研究所、エレクトロニクス分野のLSI設計部門があります。

・神奈川県川崎製造所:合成ゴム・フィルム・樹脂などのケミカル事業

・千葉工場:樹脂・光ファイバーなど

茨城県堺工場:建材事業

静岡県富士地区:最大の研究開発地区で、エレクトロニクス材料や感光材など電子情報材料や、医薬、ヘルスケアなどの分野の研究も。

三重県鈴鹿製造所サランラップ等の樹脂加工品

・大阪地区:本社オフィス

滋賀県守山製造所:機能繊維やエレクトロニクス向け高機能素材

岡山県水島製造所石油化学事業の生産拠点

・宮崎県延岡地区:発祥の地。ほとんど全ての事業分野の製品を担当。

・大分地区:化薬・メディカル製品

 

化学系の場合

医薬系を除いた化学系なら川崎、千葉、富士、鈴鹿、守山、水島、延岡の可能性があります。

かなり勤務地に幅があるので、勤務地の希望が強い人にとってはマイナスポイントですね。

また、延岡の拠点がかなり大きいのですが、ここに行くかどうかでかなり人生が変わってくるとは思います。

 

 

評判・難易度

旭化成はキャリタスの業種別人気ランキングで1位になっています。

【化学・素材】2021年卒 就職希望・人気企業ランキング | キャリタス就活2021 | 新卒・既卒学生向け就職活動・採用情報サイト

知名度が高く、待遇もいいため、かなりの人気です。

応募してくる学生のレベルも高いです。

 

 

まとめ

・ 売上高2兆円をこえる総合化学メーカー

・売上高、利益率も成長中の優良企業

給料は高く、福利厚生も充実

・採用は研究能力重視

勤務地は全国各地だが、主に富士、水島、延岡

 

こんな人におすすめ

大企業に入りたい

レベルの高い集団の中で、しっかりと研究がしたい

給料・福利厚生を重視したい

勤務地にはこだわらない

 

おまけ

プレスリリースなどを見ていて目に留まった記事をまとめてみました。

参考までに。

 

www.asahi-kasei.co.jp

ライオンや福岡大学神戸大学と連携して、プラスチックの資源循環に関するプロジェクトを進めているようです。

 

www.asahi-kasei.co.jp

こちらは液体の濃縮技術。

コーヒーの味・香りをそのままに10倍濃縮できるとか。

 

www.nikkei.com

 やはりどこもコロナの影響を受けていますね。

 

旭化成のホームページ、及び資料を参考にしています。

www.asahi-kasei.co.jp

コロナ禍でどうやって研究を進めるか?

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

新型コロナウイルス拡大の影響で、多くの大学が閉鎖され、オンライン授業などが行われています。

大学院の研究室についても、閉鎖になっているところも多いのではないでしょうか。

今回は、コロナ禍でも研究を進めるための私なりの対策をご紹介します。

 

 

とにかく文献調査

研究室が閉鎖になれば実験ができないので、データを取ることができません。

ですので今はとにかく論文を読みましょう

家のネットからでは論文が読めませんが、多くの大学は、外部から学内ネットワークに接続する方法があると思うので、調べてみてください。

普段は目の前の作業に追われてあまり論文を読んでいないという人も多いかと思います。

この機会にしっかりと知識をつけましょう。

 

・総説(レビュー論文)を読む

総説は、その分野の研究をまとめたもので、知識をつけるのに一番です。

でも分量が多かったりするとなかなか普段は読めませんよね。

この機会に読んで、背景知識を固めましょう

自分の研究にオリジナリティを出すためには必須です。

総説の探し方は、こちらの記事にもまとめています。

 

shuheichem.hatenablog.com

 

・過去に読んだ重要文献

読書百遍意自ずから通ず

重要な文献は何度も読み返す価値があります。

最初に読んだ時の知識では理解し切れていなかった部分が必ずあるはずです。

もう一度じっくり読み直してみましょう。

 

・最新の論文

忙しいと最新の論文をチェックする時間もあまりないですよね。

ただ、世界中の研究者と競い合って研究しているわけですから、その動向を把握しておくのは重要です。

Google Scholor などで検索して新しい順に並べてみましょう。

 

計算・解析

今までのデータを見直すことなら、今でもできるはずです。

研究のテーマにもよりますが、時間の関係で諦めていた計算や解析はないでしょうか。

改めてデータを見返してみて、他の解釈がないか考えたりするのもいいでしょう。

なお、解析したりデータにアクセスするためには後述のようなリモート接続が必要となります。

 

研究室のPCにリモートアクセスして作業する

家のPCだと解析ソフトが無かったり、そもそもデータを持ち出せなかったりすると思います。

そんな時は、研究室のPCにリモートアクセスすることで、作業が可能です。

もちろん、教員の許可が必要ですので、相談してみてください。

以下のような方法がありますので、提案してみてはどうでしょうか。

 

windowsリモートデスクトップ

windowsに搭載されているリモート機能。

当たり前ですが、windows間でしか使えません。

また、windows 10 Homeの場合、ホスト側にはなれません。

 

chrome remote desktop

google chrome拡張機能です。

設定が簡単で、google アカウントを持っていれば簡単に始めることができて人気です。

 

・TeamViewer

こちらも世界的に有名なサービスです。

企業などでよく採用されているイメージです。

 

まとめ

・実験が出来なくても研究は進む

・とにかく論文を読む

・必要に応じてリモートアクセスも利用しましょう

 

早く収束して今まで通り研究ができるようになってほしいですね。

それまでの期間、再開に備えてしっかり知識をつけましょう。

10記事書いてみて思うこと ブログを続けるコツ

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

やっと記事数が10になりました。

これまでに3か月もかかってしまいましたが、

現時点での感想を書いておこうと思います。

 

 

よかったこと

なんとか続いている

3か月で10記事ですので、週1以下というローペースですが、

三日坊主になることはなく続けることができました。

また、自分が過去に欲しかった、他ではあまり触れられていなかった情報を出せているような気がします。

クオリティはまだまだですが、続けていけばアクセスも伸びるのではないかなという気がしています。

 

アウトプットの練習になっている

書いてみて思うのは、適当に書いているとすごく長くなってしまうということです。

最初の頃は何文字以上、などと目安を決めていましたが、無意味なことに気づきます。

量を書くことではなく、いかに必要最低限の表現で、簡潔にまとめるかが難しいのです。

ですが続けていると少しずつ自分の型のようなものもできてきました。

人に何かを伝える際のトレーニングにはなっていると感じます。

 

問題点と対策

やはりペースの遅さです。

3月が忙しかったというのもありますが...

 

問題なのは、ブログの存在を忘れている日があることですね。

意識していない日があると、作業時間がどうしても短くなります。

重荷になってはいけないですが、むしろ自分のためと思って続けたいですね。

対策としては、スマホのよく使うアプリの近くにブログ用のメモアプリを置いたりして、忘れないようにしてみます。

 

あと、ルーティンに組み込めていないのも問題です。

以下のように生活に取り込むようにしようと思います。

・朝、研究を始める前の時間に記事の下書き

・スキマ時間に記事のネタを考え、メモ

・夜、研究が終わった後の時間に下書きを見直し、投稿

 

まだ数えるほどしかアクセスが増えていないことについては、

記事数からして当たり前かなと思います。

とりあえず20記事書いたら、体裁を整えたり、アクセスの解析などやってみたいなと思います。

 

今後

これまでは、自分の頭の中にあるノウハウが記事の中心でした。

これからは、気になることを調べた記事など、時間がかかるものも書いていく必要があるかなと思います。

具体的には、化学メーカーの企業研究記事を書いていく予定です。

 

もし書いてほしい記事のリクエストがあればコメントでお願いしますね。

 

まとめ

・なんとか続いているし、アウトプットのトレーニングになっている

・ペースの遅さはルーティン化で改善する

 

適当に書くつもりが、いつものような体裁の記事になっていました。笑

これも良い傾向かもしれませんね。

それでは、今後もよろしくお願いします!

論文を読むのが遅い3つの原因

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

 

「どうしても論文を読むのに時間がかかる...」

「実験で忙しいので素早く読みたい!」

 

論文を読むのは研究の基本中の基本ですね。

しっかり背景知識を掴んでおかないと、無駄な実験をしていた...ということにもなりかねません。

 

しかし、それまで教科書などを中心に勉強してきて初めて論文を読むと、

なかなかスラスラとはいきませんよね。

そこで今回は論文が読めない原因3つをご紹介し、その対策をお伝えしたいと思います。

 

 

1. 論文を読むテクニックを身につけていない

めまぐるしく更新される世界中の研究に付いて行くためには、膨大な量の論文に日常的に目を通す必要があります。

そのため、他の文章とは異なる方法で効率的に読んでいかなければいけません。

色々方法はありますが、私なりのテクニックをご紹介します。

 

1) まずタイトルを見て、その論文のテーマを掴みます。

 

2) その次にAbstractConclusionに目を通します。

この二つを読めば内容がだいたい掴めます

Abstractだけでも概要は分かりますが、Conclusionには主要な結果のデータもある程度含んだ形で書かれています。

そのため、Conclusionまで読むと内容をより具体的に把握することができます。

この時点であまり関係ないな、と思ったら読むのをやめましょう。

 

3) 次に図・表とその周辺を読みます。

論文中の重要なデータは基本的に図か表にまとめられています。

そのため、図・表を追っていくだけで結論の根拠となるデータを押さえることができます。

図を見ただけで理解できない場合は、それを説明している箇所だけを読みましょう。

ここまでくればほぼ内容はつかめているはずです。

 

4) 全文を読む

それでもなお理解が足りない場合や、自分にとっての超重要論文である場合は、

全文に目を通しましょう。

研究の動機や、細かな論理の流れを追うには、やはり全て読むしかありません。

 

2)までなら数分で終わりますし、3)まででも15分程度でしょう。

しかし、全て読むとなると数時間はかかるのではないでしょうか。

重要な論文にだけ時間をかけるという重みづけが非常に重要です。

 

2. 読むための知識不足

研究を始めてしばらくは、これが問題になると思います。

一文読んだら知らない単語が出てきて、

それについて調べていたらまた知らない単語が、、、

という風に、謎が謎を呼んでしまいます

 

そんな時におすすめなのが総説(レビュー論文)を読むことです。

その分野の主要な研究がまとめられている、教科書のような論文ですね。

 

私の場合は、SciFinderというサイトを使って総説を探しています。

SciFinderは化学構造式などでも検索ができるツールで、

登録すれば無料で使用できます。

このサイトの強いところは総説に絞った検索ができることです。

Document Types:Reviewを選択するだけです。

 

また、基本的なことに関しては先生・先輩に聞くのが一番早いですね。

おすすめの総説を紹介してくれるかもしれません。

 

3. 英語自体に慣れていない

大学に入ると、よほど意識的に英語に触れていない限り、

高校の時よりも英語力が落ちていきます。

そんな状態で論文を読むと、なかなか頭に入ってこない...となりがちです。

これはとにかく読んで慣れるしかありません。笑

だんだん専門分野の語彙も増えてくるので、読めるようになってきます。

 

まとめ

・論文は重要度によって読み方を変える

・まずは総説で勉強して知識をつける!

・とにかく読んで英語に慣れる

 

文献調査は研究の基本能力ですので、苦手意識を持たずどんどん読めるようにしましょう。

化学メーカーの博士選考 開始時期をまとめます!

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

 

「博士の選考はいつから始まる...?」

「いつから準備を始めればいいのだろう...?」

 

私もD1ぐらいのころ、こういった不安がありました。

博士の就活に関する情報はあまりないので、困りますよね。

今回は、私が経験した2021卒就活について、化学メーカーの博士選考開始時期をまとめます。

選考時期は年々早期化する傾向にあり、

早めの準備と、常にアンテナを張っておくことが重要です。

 

 

博士専用の選考

近年博士の積極採用が進んでおり、博士専用の早期選考を行っている会社が増えてきています。

特に製薬系は選考が速く、化学メーカーも年々早期化する傾向にあります。

 

もちろん、修士と同じ時期に選考を行う企業もあります。

ただ、早期選考を行うということは博士を欲しがっているということですので、

もし志望企業があればエントリーし、早めに就活を終わらせてしまうと気持ちが楽ですね。

 

選考開始時期まとめ

2021卒の選考時期を、私が把握できた範囲で、エントリー開始順に並べています。

すべてD2の年度における日程です。

f:id:shuheichem:20200409182624j:plain

特に開始が速いのは、東レ住友化学で、10月にプレエントリーを開始しています。

ただ、東レはESの締切が遅めで、1月以降に面接が行われているようでした。

一方、住友化学はES提出者から随時選考が開始され、早い人は10月中にも内々定をもらっているようです。

旭化成は11月頭に開始。

三井化学三菱ケミカルAGC積水化学は12月スタートでした。

 

選考開始時期の把握の仕方

選考時期は毎年変わり、年々早期化する傾向にあるため、しっかりアンテナを張っておく必要があります。

10月以降くらいの時期は、定期的に企業の採用HPをチェックしておきましょう。

 

なお、夏インターンや合同セミナー等で人事の方と話せる機会があれば、直接聞くこともできます。

その時点で決まっていれば、教えてもらえる可能性が高いです。

こういった生の情報を自分の足で取りに行くという意識は大事ですね。

 

いつから就活準備を始める?

オススメは、D2の4月ごろです。

人によっては早いと思われるかもしれませんが、

ライバルと差をつけるためには、いかに早く準備を始めるかです。

 

この時期くらいから就活を意識し始め、自己分析企業研究を進めましょう。

そして、6月ごろからはインターン選考が始まり、夏にインターンがあります。

そして早い企業では10月から本選考が始まります。

こう考えると、D2の4月が決して早くないと思えますね。

 

まとめ

博士選考は年々早期化する傾向にあります。

博士を求めている企業に積極的にアプローチするためにも、

常にアンテナを張っておき、乗り遅れないようにしましょう。

 

 

研究のモチベーションの保ち方

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

 

「最近研究にやる気が出ない...」

「博士課程の3年間、モチベーションが続くだろうか...?」

 

研究をしているとどうしても同じような毎日の繰り返しになり、

無気力になる事もありますよね。

そんな時にどうやって自分をマネジメントしていくのか

私なりのテクニックをお伝えしたいと思います。

 

 

1. 刺激を得る

無気力になる原因の一つは、毎日同じことの繰り返しでつまらないからです。

本来研究が好きな人なら楽しいはずですが、

再現性を取るために何度も同じ実験をしていたりすると、飽きてきますよね。

そんなマンネリ状態に陥らないためには、どうにかして刺激を得ることが重要です。

 

最も刺激になると思うのは、学会やセミナーに参加することです。

同じ分野でバリバリ研究を進め成果を出し、面白い発表をしている人を見ると、

自分もやらなければ、と思いますよね。

また、自分も発表すれば、

世界中の研究者のうちのひとりとして認められているという実感が得られます。

 

他にも刺激を得る方法は色々あります。

企業研究者や研究室のOBの話を聞くのも刺激になりますし、

研究者・経営者の本を読むのもいいですね。

とにかく、研究室の世界にとじこもらず外からの刺激を自分に入れ、

世界のうちの一人という認識を持つことが大事だと思います。

 

2. 脳の疲労をためない

そもそも、脳が疲れないような生活を心掛けることも重要です。

特に重要なのが、疲れの大部分は、作業量によるものではなく、

”決断”によるものだということです。

私たちは日々膨大な選択肢の中から選択を迫られ、決断を重ねて生活しています。

決断をいかに減らし、実際の作業に脳を使えるかが重要になります。

そのために、朝起きて夜寝るまでの行動を可能な限りルーティン化しましょう。

ルーティンを作るのは少し大変ですが、一度体に染みつけば余裕が生まれます。

このあたりのことはDaiGoさんの本が参考になります。

 

自分を操る超集中力

自分を操る超集中力

 

 

 

それでもどうしても疲れるときはありますよね。

そんな時にすべてを忘れて没頭できる趣味は必要だと思います。

また、なにもせずボーっとする時間も必要です。

ボーっとしている時間にも脳は働いており、この時間がひらめきを生むのに重要であることも分かってきています。

www.nhk.or.jp

 

3. 目的を再確認する

同じような毎日を繰り返していると、目先の実験を成功させることや、

報告会を乗り切ることが目的になっていることはないでしょうか。

研究のリズムを保つためにはそれも重要ですが、たまにはもっと先の目的を思い出すことが必要です。

 

自分は何のために研究をしているのか、根本から考えましょう。

将来企業研究者として活躍するため、学会で賞をもらうため、就活を成功させるため...など、

なんでもいいと思います。

重要なのは、自分の本音を知る事です。

 

そのためには、就活でよく耳にする自己分析も有効です。

自己分析は、就活に限らず、人生の選択をしていく上で役に立ちます。

自己分析についてはまた後ほど記事にしたいと思っています。 

 

 4. 深刻に考えない

研究をしていると、丸一週間かけた実験の結果何も得られない、といったようなことが多々あります(自分はありました。笑)

やっぱり結果が出ないと落ち込みますし、やる気も低下します。

しかし、そんな時深刻に考えないことが大事です。

 

それが出来たら苦労しないよ...と思われるかもしれませんが、

ある程度の鈍感さは、研究者にとって必要なのではないかと僕は最近感じています。

データは嘘をつきません。

結果が出ないのは、アプローチが悪かったり、ミスをしているためです。

それを冷静に受け止め、まあいいか、とすぐ忘れられる人は、どんどん実験を進められます。

 

どうすれば結果が得られるのか、というプロセスで試行錯誤するのが研究の醍醐味だと思います。

そのプロセス自体を楽しんでやることが大事ですね。

 

まとめ

大学院での研究は修士で2年、博士で計5年以上と、とても長いです。

20代の大切な時期を費やすことになります。

長い目で見て、充実した時間を過ごせるように、モチベーションを保ちましょう。

そのための自己管理のやり方を、自分に合ったものに最適化していきましょう。