【技術面接】プレゼン用スライドの作り方【パワーポイント】

技術面接スライドの作り方

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

大手化学メーカーの研究開発職に内定を得た経験から、就活に役立つ情報をまとめています。

 

今回は技術面接用のスライドの作り方について。

 

「技術面接が初めてで、スライドの作り方が分からない・・・」

「学会発表の資料を使えば大丈夫?」

こんな方のための記事です。

 

研究をやっていると発表経験もあるかもしれませんが、

就活の技術面接は別物です。

通常の研究発表が「研究を伝える」ものであるのに対し、

技術面接は「自分を伝える」ものだからです。

就活専用に、自分の強みが盛り込まれた資料をつくる必要があります。

そこで今回は、企業が学生に求める能力がアピールできるような、

具体的な資料の作り方のコツを徹底解説します。

 

 

その他の就活記事まとめはこちら

shuheichem.hatenablog.com

 

 

技術面接は自己PRの場

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企業が技術面接をするのは、専門性の確認のためだけではありません。

もちろん研究内容のマッチングもある程度大事ですが、

「入社後に会社のための戦力になってくれるか」を見ています。

 

なので、求められている能力を把握した上で、

積極的に自分の強みをアピールする必要があります。

つまり、自己PRの場なのです。

それを意識して資料を作り、発表し、受け答えする必要があります。

 

スライドの構成

おすすめの構成は以下の通りです。

(1) 導入

(2) 目的

(3) 方法

(4) 結果と考察

(5) まとめ

構成自体は、通常の研究発表と同じで大丈夫です。

しかし、内容は就活専用に変える必要があります。

それでは、各部分の内容と、アピールすべき力を解説していきます。

 

(1) 導入

ここでは、研究している分野の背景を述べて面接官を話に引き込みます。

誰でもわかる身近な内容から話を始め、面白そう、と思わせる必要があります。

その分野の研究の現状を述べた上で、

研究のモチベーションになっている問題点を述べましょう。

 

求められる力:専門外の人に説明できる力

企業では部署内・部署外の様々な人と関わりながら仕事をします。

なので、相手が専門外であってもわかりやすく説明できる力が求められるのです。

 

技術面接での対策としては、その分野の人しか知らない専門用語の使用は最低限にしましょう。

高校生でも理解できるレベルが望ましいです。

実際に専門外の人に添削してもらって、分かりにくいところがないか確認しておくといいです。

 

(2) 目的

その研究で何を明らかにするのかを述べます。

研究のすごさをアピールすることも必要ですが、

目標が高すぎたり、対象範囲が広すぎたりする研究は無謀です。

他の研究と比較しながら、特にどの部分に着目しているのかを強調しましょう。

 

求められる力:課題を抽出・設定する能力

企業で独自の技術を開発していくためには、

まず何が課題なのかを見つけ出す力が必要です。

現状を整理して問題を切り分け、具体的な課題を抽出する能力です。

そして、解決可能な課題を設定する能力も必要です。

企業では、限りあるコストの中で成果を出さなければ利益に繋がらないからです。

 

この能力をアピールするためには、

他の研究と比較することで、研究の範囲を明確にするのがいいでしょう。

自分の研究の立ち位置が分かりやすくなります。

これができていないと、「今までの研究と何が違うの?」といった質問がすぐに飛んできて、慌てることになります。

 

(3) 方法・実験

”目的”で設定した課題をどうやって解決するのかを述べましょう。

アプローチの仕方や、具体的な実験方法を説明していきます。

ここが研究の新規性をアピールするところです。

なぜ今までの研究では不可能だったことが、自分の研究では可能になるのか

整理した上で、詳しく解説しましょう。

少々大げさでもいいので、インパクトが伝わるようにオリジナリティをたくさん盛り込みましょう。

 

求められる力:課題解決能力

正しく課題を設定できても、その解決に至るまでには様々な壁があることが多いです。

その解決方法を自ら主体的に提案し、試行錯誤しながら解決に繋げていく力が求められます。

 

技術面接での対策としては、主体的に行った工夫を盛り込むようにしましょう。

自分のテーマとはいっても、ほとんどの方は教授から与えられたテーマをもとに研究していると思います。

それ自体は当たり前なので、問題ありません。

テーマを遂行する中ででてくる困難にどう立ち向かうかというところに、その人の個性が表れます。

この部分をエピソードと共に述べましょう。

 

(4) 結果と考察

実際に得られたデータと、それに対する考察を述べていきます。

学会発表では大事な部分ですが、就活ではこの部分は最小限にとどめましょう。

データの量でアピールしたい方もいるかもしれませんが、

専門外の人にとっては理解が追い付かずに印象を悪くするだけです。

ストーリーが成り立つ最低限のデータに絞りましょう。

 

求められる力:論理的思考力

論理的思考力が大事なのは言うまでもありません。

データを正しく解釈し、次につなげていける力が求められます。

 

技術面接での対策としては、データ自体の説明よりも、考察の部分に時間を割くようにしましょう。

どのようにデータを解釈し、考え、次の実験に進んでいったのか。

その思考の流れを整理して伝えることで、思考力がアピールできます。

 

(5) まとめ

全体を総括し、”目的”で示したことがどれだけ達成されたかを述べます。

もちろん、達成度が100%である必要はありません。

むしろ現状を正確に把握して、既に次の手を考えているという姿勢を示すことが重要です。

時間があれば論文や学会発表等の業績や、共同研究の状況などを述べてもいいでしょう。

 

時間配分・スライドデザイン

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技術面接の発表時間は5~15分程度が一般的です。

制限時間に合わせてスライドの量を調整しましょう。

ちなみに、話す量は1つのスライドにつき1分程度が目安と言われています。

 

<5分のプレゼンの場合>

かなり時間が短いですが、(1)~(5)にそれぞれ1分を費やすのがおすすめです。

”結果と考察”を1分にまとめるのは大変だと思いますが、とにかくデータを厳選しましょう。

 

<10分、15分と長い場合>

まず”結果と考察”に割く時間を増やします。

その次に、(1)~(3)の中で重要な部分を増やすようにしましょう。

・あまり世間になじみのない研究分野の場合、(1)導入に時間をかける

・行っている実験が特殊な場合、(3)方法・実験に時間をかける

といった感じです。

 

また、スライドのデザインも重要です。

自己流で作ってしまうと、ほかの人にとっては見にくいかもしれません。

自分は、こちらの本などを参考にしていました。

「聴衆が努力しなくても」、「見ただけで分かる」スライドの作り方が解説されています。

 

次はこちらの記事がおすすめ

スライドを作るうえでの考え方を説明してきましたが、いざ作るとなると難しいですよね。

こちらで、私なりの具体例を公開しています。

ノーベル賞を受賞した研究を題材にして、分かりやすく解説します。

shuheichem.hatenablog.com

 

まとめ

・技術面接は自己PRの場

・各セクションで求められている力を意識して、積極的にアピールする

 

結果が出ていなかったり、学会経験がなくても、心配する必要はありません。

ご紹介したような求められている力を意識して話せば、十分アピールになりますので、

自信をもって話すようにしましょう。

 

質問対策はこちら

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 技術面接の話し方で気を付けるべきことはこちら

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その他の就活記事はこちらにまとめています。

 

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