旭化成の企業研究 事業内容・勤務地まとめ【理系大学院生】

旭化成の企業研究

こんにちは。化学系博士課程のshuheiです。

今回は企業研究記事の第一弾、旭化成です。

 

「よく聞く企業だけど、どんな事業をしているんだろう・・・?」

「経営状態はどう?給料は良い?」

「勤務地は田舎・・・?」

 

などなど、志望度に直結する情報を、詳しくご紹介します。

勤務地についても網羅的に記載しました。

少し長いので、目次から気になったところに飛んで、ご覧ください。

*2020年5月現在の情報です。売上高などの数字は基本的に2018年度のものです。

 

 

どんな会社?

まずは基本情報から。

 

売上高:約2.2兆円 

従業員数:39283人(連結)

事業領域:マテリアル、住宅、ヘルスケアの3領域

 

売上高としては2兆円を超えており、大企業と言えます。

事業領域は3領域に多角化しており、

マテリアル領域は基礎化学品から高付加価値品に渡る幅広い化学事業。

住宅領域旭化成ホームズや建材の事業。

ヘルスケア領域は医薬・医療の事業です。

それぞれの領域に事業会社が存在し、旭化成はそれらグループをまとめている、という位置づけです。

 

何を作っている?

それでは、旭化成は何で稼いでいる会社なのか、もう少し詳しく見ていきます。

先ほど事業が3領域に分かれていると言いましたが、

その中で化学品を扱うマテリアル領域が、全体の売り上げの半分以上を占めています。

マテリアル領域にはさらに4つの事業分野があり、以下のような製品を作っています。

 

4つの事業分野

・基盤マテリアル事業

ポリエチレン、アクリロニトリルMMAなどの基礎化学品。

 

・パフォーマンスプロダクツ事業

繊維、高機能樹脂、合成ゴムなどの素材。なじみのあるサランラップジップロックもここに含まれます。

 

スペシャルティソリューション事業

感光性フィルム、リチウムイオン電池向けセパレータなどの高付加価値品。

2019年には旭化成名誉フェローの吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞し話題になりましたね。

 

・エレクトロニクス事業

半導体集積回路(LSI)、電子コンパス、各種センサなどのエレクトロニクス関連品。

 

求められる専門性

以上から分かるように、基礎化学品から高付加価値品まで幅広く手掛ける、総合化学メーカーと言えます。

したがって、求められる専門性も、化学全般です。

化学系の大学院生であれば、分野に関係なく、どこかで必要とされる場所があると予想されます。

 

 

業績 経営状態は?

売上高は約2.2兆円、営業利益は2096 億円です。

営業利益率は9.7%と、比較的高い水準にあります。

業績の見方は以下の記事を参考にしてくださいね。

 

shuheichem.hatenablog.com

 

成長率

過去のデータを見てみると、2009年度の売上高は約1.4兆円。

営業利益率は4~7%程度で推移していました。

そのため、ここ10年で大幅に規模・利益率ともに成長していると言えます。

 

経営のバランス

各領域の営業利益率はマテリアル:11%、住宅:10.3%、ヘルスケア:13.2%と、

どれかに頼る事なくバランスよく利益を上げていることも分かります。

(利益率の平均が全体と一致しないのは各事業以外の影響と思われます)

 

安定性

経営指標の一つである自己資本比率53.6%と、高いです。

借金をあまりせず経営しており、近い将来につぶれる可能性は極めて低いと言えます。

 

給料・福利厚生

初任給

学部卒: 222,890円 

修士卒: 247,550円 

博士卒: 289,910円

他の化学メーカーと比べると高めだと思います。

 

平均年収

平均年収有価証券報告書の数字で787万円

全従業員ベースなので少し低く出ていますが、比較的年収も高い方でしょう。

openwork等の口コミサイトを見ても、満足している方が多いようです。

 

福利厚生

福利厚生についてですが、口コミサイト等を見る限り、かなり充実しているようです。

借り上げ社宅に住むと家賃の7割を会社が負担するなどの制度があるようです。

 

雰囲気

完全に私の主観ですが、超優秀な好青年が多い、という印象を受けます。笑

しっかり自分の意見があり、隙がないような人が多い気がします。

 

また、大学院生については研究遂行能力を最重要視していると思います。

そのためか、博士学生の採用にも非常に積極的です。

こちらの記事でも紹介しましたが、早期選考を実施して博士を獲得しにきています。

 

shuheichem.hatenablog.com

 

「さん」付け文化

また、社内では役職に関わらず「さん」付けで呼ぶ文化があります。

フラットな関係が徹底されており、風通しのよさが感じられますね。

 

勤務地

技術系総合職の場合の勤務地は全国各地です。

研究職に絞った場合でも、特定の場所に研究所があるのではなく、

各生産拠点で研究開発が進められています。

担当する製品で勤務地が決まると考えていいですね。

 

主な勤務地

発祥の地である宮崎県延岡

石油化学品の生産拠点岡山県水島

研究開発拠点の静岡県富士です。

 

その他の拠点

・東京:本社があります。

・神奈川県厚木地区:センシングなどのソフトウェア開発を行う融合ソリューション研究所、エレクトロニクス分野のLSI設計部門があります。

・神奈川県川崎製造所:合成ゴム・フィルム・樹脂などのケミカル事業

・千葉工場:樹脂・光ファイバーなど

茨城県堺工場:建材事業

静岡県富士地区:最大の研究開発地区で、エレクトロニクス材料や感光材など電子情報材料や、医薬、ヘルスケアなどの分野の研究も。

三重県鈴鹿製造所サランラップ等の樹脂加工品

・大阪地区:本社オフィス

滋賀県守山製造所:機能繊維やエレクトロニクス向け高機能素材

岡山県水島製造所石油化学事業の生産拠点

・宮崎県延岡地区:発祥の地。ほとんど全ての事業分野の製品を担当。

・大分地区:化薬・メディカル製品

 

化学系の場合

医薬系を除いた化学系なら川崎、千葉、富士、鈴鹿、守山、水島、延岡の可能性があります。

かなり勤務地に幅があるので、勤務地の希望が強い人にとってはマイナスポイントですね。

また、延岡の拠点がかなり大きいのですが、ここに行くかどうかでかなり人生が変わってくるとは思います。

 

 

評判・難易度

旭化成はキャリタスの業種別人気ランキングで1位になっています。

【化学・素材】2021年卒 就職希望・人気企業ランキング | キャリタス就活2021 | 新卒・既卒学生向け就職活動・採用情報サイト

知名度が高く、待遇もいいため、かなりの人気です。

応募してくる学生のレベルも高いです。

 

 

まとめ

・ 売上高2兆円をこえる総合化学メーカー

・売上高、利益率も成長中の優良企業

給料は高く、福利厚生も充実

・採用は研究能力重視

勤務地は全国各地だが、主に富士、水島、延岡

 

こんな人におすすめ

大企業に入りたい

レベルの高い集団の中で、しっかりと研究がしたい

給料・福利厚生を重視したい

勤務地にはこだわらない

 

おまけ

プレスリリースなどを見ていて目に留まった記事をまとめてみました。

参考までに。

 

https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2019/ze191016.html

ライオンや福岡大学神戸大学と連携して、プラスチックの資源循環に関するプロジェクトを進めているようです。

 

www.asahi-kasei.co.jp

こちらは液体の濃縮技術。

コーヒーの味・香りをそのままに10倍濃縮できるとか。

 

www.nikkei.com

 やはりどこもコロナの影響を受けていますね。

 

旭化成のホームページ、及び資料を参考にしています。

https://www.asahi-kasei.com/jp/